the bonds of friendship




勢いよく開くドア。
息切れした呼吸を整える暇もなく。
   
「博貴いるか?」

博貴の姿を探す隆平。
   
「どうしたん?」

椅子から立ち上がる。
   

「亮が。亮が。倒れた。」


博貴と雛乃の顔色が一気にかわる。
   
「うちのせいや。」

布団を握り締め俯く雛乃。
   
「ちゃう。雛乃せいやない。」

諭すように声をかける博貴。
   

「僕…戻るわ。」


部屋を出ようとする隆平。
   
「俺も行く。」
   
「うちも行く。」

ベッドから出ようとする雛乃。
   

「ダメや。お前はここにいろ。ええな?」


雛乃と目線を合わせる。
   
「ええな?」

もう一度力強く言い聞かす博貴に
うなずく雛乃。
   

「エエ子や。すぐ戻ってくるから。」


部屋を後にする隆平と博貴。







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