the bonds of friendship
刻み始めた時計







青空の下。
揺れているブランコ。
ブランコに腰掛けている雛乃。
   
「なぁ。今度は何なん?」

俯いたままの雛乃。
   

「どうせ章大とくだらない喧嘩したんやろ?俺を巻きこむなや。」


呆れた目で雛乃を見る。
   
「くだらなくない。」
   
「あっそう。っで何でいつも俺なん?博貴や隆平のほうが優しく聞いてくれるちゃ
うん?」
   
「あかんねん。博貴や隆平は優しすぎて甘えてしまうやろ?」

   

「せやったらすばるや裕でええやん?」

「おもしろがってふざける。」

   

「せやったら忠義がおる。」
   
「無関心すぎる。」

   

「信五がおるやん?」
   
「信五は決まった言葉しか言わへん。」

ことごとく亮の言葉を否定して行く雛乃。
   


「じゃあ。何で俺なん?」



素朴な疑問をぶつける。
   

「暇なんやろ?ええやん。」


亮から目を逸らし答える。
   
「帰るで。お前の子守なんてしたないねん。」
   
「帰ればええやん。」

不満そうに亮を睨む雛乃。
   


「帰るわ。ほな後はお前に任したから。」


亮の目線の先には気まずそうにつたっている章大。
   
「ああ。」

雛乃のもとへ歩き出す。
   

「何で?」

「俺が呼んだんや。迷子がおるってな。」

悪戯な笑みを浮かべる亮。
   

「アホ。」
  
「仲直りしいや。お礼はそうやな。たこ焼きでええわ。」


手を振り公園を後にする亮。   







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