the bonds of friendship
曖昧な記憶





病室とは思えないほどのくつろぎようで
あちこちに座り込む裕 すばる 隆平 忠義。
1冊の雑誌で大盛り上がりの病室。
あまりの騒がしさに眠ることも出来ない亮。
  
「なぁ。見てや。この子可愛くない?」

雑誌を広げ隣に座る裕に見せるすばる。
   
「いや。こっちやろ。」

違うグラビアを指差す裕。
   
「どれや。いやいやそれはないでしょう?」

横から覗き込む隆平。
   
「俺やったらこの人やな。」
  
「せやろ?忠義はわかってる。信五は?」

窓際に腰掛けている信五に声をかけるすばる。
   
「俺はええよ。」
   
「何や冷たいな。」

不貞腐れる裕。
再び雑誌の話で盛り上がる。
   


「お前らな。毎日、何しに来とるん?」



「ほんまやな。」


亮の隣で笑う信五。
   
「お見舞い???」
  

「ちゃうな。暇つぶし?」


真顔で言う隆平にこれまた素直に答えるすばる。
   


「ちゃうって。監視。」


すばるの言葉に被せるように裕が答える。
   

「亮が逃げ出さんように。」


悪戯な笑みで亮を見る忠義。
   
「だそうです。」
   
「勝手にしてや。」

呆れた顔の信五と亮。






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