the bonds of friendship
数分が数時間に感じられる時の流れ
確実に時計は進み
時計の音だけが病室を包む。
真剣な表情で
亮を見つめる切なさにも似た視線。
重い口を開いたのは
やっぱり忠義で
「あの時…運転してたんはお前やないやろ?」
一瞬表情がくもる。
「…何言うてるん…。」
小刻みに揺れる身体。
「俺や。俺が運転してん。」
ドクドクドク
鼓動が高鳴る。
苦しくなる呼吸に顔を歪める亮。
「俺が…俺が…章大を…。」
血の気が一気に下がり青ざめていく。
頭を抱え蹲る亮。
「章大を…殺したんや。」
息が上手く吸えず
必死に言葉にする。
「亮。亮。」
亮の背中をさする信五の手。
「俺が殺してん。俺が俺が…あの時…。」
目から流れ落ちる大粒の涙。
焦点の合わない目。
薄れていく意識。
「…章大…。」
「もうええやろ?もう…。」
ずっと黙っていた裕が口を開く。
「こんな亮ちゃうねん。俺等の知っと亮ちゃうねん。しっかりしてや。なぁ。亮?しかっりしてや。」
亮を揺さぶる博貴。
「博貴。博貴。やめろや。」
亮と博貴の間に割って入ろうとする信五。
「章大やってそんなお前みたないはずや。せやろ?そんなお前見て喜ぶやつなんて誰一人おらんねん。雛乃やってな。あいつの死を。章大の死を受け止めようとしてんねん。せやのにお前は逃げるんか。逃げるんか。」
博貴の目から流れ落ちる涙。
そこにいた全員が目の前の出来事を黙って見つめる。
「…あの時…あの時…運転してたんわ…俺やない…。」
亮の身体が重くなる。
亮を支える博貴。
「亮。」
ぐったりと倒れこむ亮の名を呼ぶ信五。
「章大」
うわ言のように章大の名前を口にする。
「僕、先生呼んでくるわ。」
病室から走り出す隆平。