the bonds of friendship
「何やねん。すぐに追いついてやるんやから。」
馬鹿にされたことに意地になる章大。
「さっきの約束忘れてへんやろな?」
その様子に釘をさす亮。
「ええやん。ちょっとくらい。」
スピードをあげる。
風をきる音が会話を邪魔していく。
「あかん。スピード落とせや。運転かわりたいん?」
後ろで叫ぶ亮。
「ええやん。みんなに追いてかれてるんやで。」
ムキになる章大。
「あかん言うてるやろ。」
亮の言葉を無視する章大。
スピードが加速していく。
カンカンカンカン
踏み切りの警報音が鳴り響く。
遮断機がしまっていく。
「章大。スピード落とせ。お前や無理や。」
血相を変えながら章大を怒鳴りつける。
「…。」
目の前の光景に声さえ出せない章大。
「章大~。」
叫ぶ亮。
遮断機が降りる。
辺りに響くブレーキ音。
身体が宙を舞う。
何もかもがスローモーションに見える。
地面に叩きつけられる身体。
ぐったりと倒れこむ章大。
薄れていく意識の中、章大へと手をさし伸ばす亮。
「…章大…。」
鈍い音とともに力尽きる亮。
炎上するバイク。
真っ赤な血で染まる地面。