the bonds of friendship







青く晴れわたる空。
太陽の日差しは強く肌を刺す。
生温い風が時おり通り抜ける。
ブランコに腰掛けている雛乃。
同じくその横でブランコに揺られている博貴。
   
「呼び出してごめん。」
   
「ええよ。どうせ暇しててん。」

ブランコを漕ぐのを止める博貴。
   

「嘘や。電話のむこう騒がしかったで。」
   
「いつものメンバーとおってん。」
   
「だと思ってん。すばると裕の声してたから。」


ぎこちない空気が流れる。
途切れ途切れの会話。
一息深呼吸をするとやっとの想いで口開く雛乃。
   


「こないだの返事なんやけど。」



俯いていた顔をあげ博貴の顔をじっと見る。
   



「うちな。章大のこと今でも好きや。忘れられへん。」
   


「そうか。」

雛乃から目を逸らす博貴。
   

「最後まで聞いてや。…章大のことがあって…もう二度とあんな思いしたないって思ってん。…せやから章大以外の人を好きになるんが怖っかってん。章大を裏切ってしまうような気がして…せやのに何でこんなに惹かれてしまうんやろう?博貴。うまく言葉で言えへんけど、博貴の事、好きになってもええですか?」


涙目の雛乃。
   

「何か言ってや?」


何も答えない博貴に声をかける。
   
「フラレルんやと思ってたから。言葉がみつかれへん。」

驚いたまま固まる博貴。
   

「何やの?それ?」


照れ笑いをする雛乃と博貴。







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