西城家の花
「…お前、なんか今日変だぞ。朝からずっと眠たそうにしてるし、なんかいつもお前から感じられる覇気というものがまったくない…気がする」
覇気とはいったい何のことだと大志は思ったが、今はそんなことに返事するのもしんどいぐらいに疲れている
というか、ものすごく眠たい
もう尋常ではないぐらい睡魔が襲ってきていて、今も頭の奥からガンガンと音が響いていて立っているのもやっとというくらいだ
実は昨日の見合いで、美桜の気分を害してしまったとカンカンに怒った父親に一晩中説教をくらっているのである
さすがに一晩中、しかも正座で説教をさせられるとなると、毎日体を鍛えている大志でもさすがに疲れがたまる
おまけに昨日の出来事ですっかり意気消沈してしまった母が床に臥せてしまい、そのことで姉にも睨まれ、居心地が悪く朝食も満足に食べられないまま学校に来てしまったせいで力がまったく出ない
このようなことは今回に限ったわけではないだろうと思いながら、室内履きから外履きに履き替えていると、外のほうが何やら騒がしいことに気づいた
「おー、なんだなんだ」
なんにでも首を突っ込みたがるお節介やきの敦司は、興味津々な様子で大志よりも先に校舎の外へと駆け出した
外の騒ぎにまったく興味のなかった大志は、とりあえず帰ったら腹を満たし、寝ることだけを考え、ふらふらの足取りで敦司の後に続いた