西城家の花
なにせ美桜が大志の学校まで訪ねてくるとは完全なる予想外だった
昨日あんなことになったせいで、きっと次に会うことはないだろうと思っていたから、突然の再会に大志は戸惑っていた
ここはなんと答えたら正解なんだ、どうすればそれとなく彼女との関係を伝えられる
というか自分と彼女の関係とはいったい何なのだ!?
頭がものすごい混乱状態になりながら美桜に視線に向けると、彼女と視線がばちっと合った
すると美桜は赤く染まった頬をますます赤くさせ、両手で頬を押さえながら大志の視線から逃れるかのように後退していった
その様子から何かを感じ取った大志は観念したかのようにため息を大きく吐いた
また美桜の気を害してしまうかもしれないけど仕方がない
あの状態の彼女をここに留まらせるのも酷なことだ
拳をぎゅっと握り、気合を込めると、大志は自分たちを囲っている大勢の人々に向けて宣言した
「彼女は、俺の婚約者だ」
と
すると、ざわついていた周囲が一瞬にして沈黙になり、その場が静寂と化した後に驚きの絶叫が一斉に木霊された
「『「はああああぁぁぁぁぁぁあああああぁああああああああああ!!!!!!?」』」
ちなみにその絶叫は、その場から5㎞以上離れた西城の屋敷にまで届いていたと後に満から知らされることとなった