西城家の花







「おい、どういうことだよ。お前がこんな美人が婚約者だなんて…」






「そうだ、どういうことか説明しろ!!」





「というか、いつから!?」







まったくの予想外の答えが返ってきて戸惑っている敦司を始めとし、周りにいる名前もわからない輩からも様々な疑問の声が投げかけられてきた





投げかけられてくる全ての言葉に耳を塞ぎたくなる大志だったが、その手は美桜の右腕を掴んだ






「…へ?」





「すまないが、少しの間辛抱してくれ」






突然右腕を掴まれ、驚いた表情で大志を見た美桜だったが、その顔は瞬く間に赤くなった





その赤さは先ほどのものとは尋常ではないぐらい赤い






「あの、その…えっと…」






しかもどうやら呂律もはっきりとさせていない





ここまで重症だったのかと美桜の赤くなった顔に眉をひそめると、大志は腕を掴んだまま、美桜を連れ、人だかりの中から抜け出した






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