溺愛スイートライフ~御曹司に甘く迫られてます~
気がつくと日が傾いていた。部屋の中はさらに薄暗くなっている。
新條の激しさに力尽きて、花梨はいつの間にか彼の腕に包まれて眠っていたらしい。
横を向くと目が合った新條がふわりと微笑んだ。
「目が覚めた?」
「ごめん。寝てた」
「いいよ。花梨の寝顔幸せそうだし」
「え……ずっと見てたの?」
「うん」
焦る花梨に新條は、にっこり笑って平然と頷く。
「もう! あんたも寝てればいいのに」
「そんなに照れなくても、今までに何度か寝顔は見てるよ」
確かに恋人契約をしたあの日から見られている。もしかしたらあの時もずっと見られていたのかもしれない。
「ずっと見てられるほど私の顔って珍しいの?」
「珍しいからっていうより、こんな近くで花梨を見ていられる幸せをかみしめてるんだよ」
そう言って新條は花梨を抱き寄せた。再び密着した素肌のぬくもりに、花梨の鼓動は早くなる。ついさっきまで、まるで熱に浮かされたように激しく求め合っていたというのに。
悟られぬように素知らぬフリをしていたのに、新條はちゃっかり察知して意地悪な笑みを浮かべる。
「花梨、ドキドキしてるね。もしかして、またオレが欲しくなった?」
「それはあんたの方でしょう?」
バレてしまったのが悔しいので花梨はすかさず反撃する。密着しているから新條の変化が花梨にもわかるのだ。
けれど新條は嬉しそうに笑いながら益々花梨を抱きしめた。
「あたり。じゃあ意見が一致したということで……」
「それより! そろそろ晩ご飯の支度しなきゃ!」
近寄ってきた新條の顔をよけて、花梨は顔を逸らす。
このまま新條のペースに流されている場合ではない。晩ご飯よりも今後のことについて考えたり相談したりしなければならないことは山ほどあるのだ。