恋 ~余命1年ってなんですか?
達也が私の恐竜を持参してた


「なんでそんなの持ってんの?」


「丁度、子供部屋にいたんだよ!」


慌てて持ってきたらしい



「私…理江ちゃんが羨ましかったのよね」


「へ?」


理央が? 羨ましい?



「だって、私にはどこでもある動物ばかり
恐竜探すの凄く大変なんだって
パパは、理江ちゃんが好きなんだなって…
ママは、絶対に青い服を買ってたし!」


「私…恐竜好きじゃないんだけど
青い服も嫌だったんだけど…
私こそ、理央ばっかりかわいいもの貰って
羨ましかったんだけど」



「えーーー?嘘?
ママから聞いたのよ!?
子供の頃、理江ちゃん女の子物に全然興味示さなくて
笑わないし、喜ばない子供だったって
○△□市の観光花園に連れて行ったら
恐竜展示してて、その時夢中で見てたって」


私の口元がヒクヒクする


「恐竜じゃない 
理江は、花とか植物が好きなんだ
この前も、妖精展してたけど夢中だった」


真生さんが代わりに答えた


「ママと買い物行った時
理江ちゃんに何が好きって
質問したら、空を指さしたって!!」


「空が好きなだけだろ?」

「うん」



真生さんは、私の好みを知ってた

パパママは、勘違いしたのに



「理江ちゃん!言えば良かったのに~」

「せっかくくれたのに悪いかなって」

「理江ちゃんが喜ばないからって
名前もわからない恐竜を探して回ったのよ」

「パパママに謝らなくちゃね… ははっ」



海外移住中のパパママにテレビ電話して
恐竜と青い服の真実を打ち明けたら

双子が産まれたニュース以上に
あんぐりと口を開け驚いていた





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