恋 ~余命1年ってなんですか?
真生さんが送るって言ってくれて
マンションまでの車内

「理江…」


真生さんは、私の手を握って離さない


「運転危ないですよ」

「曲がるとこねぇし」


そう、マンションの手前まで1本道でした



「着きましたけど…」



手を離してくれる気配がない


「明日、デートしないか?」

「え?」

「このまま出掛けたいくらいなんだ」

「私… 明日、武田オフィス出勤なんです…
片づけとかあるので」

「マジかよ…」


私を引き寄せ抱きしめるってゆーか
私の肩で項垂れ中


「終わったら、会社に戻りますから
また一緒ですよ!
九州いつからかわからないけど…」


なぜか慰めなくちゃと喋る
喋ってると


ジッと顔を見られてて


「なんですか?」

「泊めろ」

「はぁ?」

「眠てぇ」

「私、めちゃくちゃ頑張って慰めてたのに!
眠かったの!?寂しがってくれてるのかと
てゆーか、眠いなら送らなくても…」

「少しでも一緒にいたかったんだ」

「どうしよう… 私… 部屋散らかってる」

「気にしねえよ」

「でも…」

「俺が、車で寝て風邪ひいてもいいのか?」

「ダメ!!!」

「だろ?」










負けた…



元々、康太がうちをホテルみたいにして
使ってたから抵抗があまりない…

でも…

仕方ないか…





康太がまだ持って帰ってない
新品下着とスウエットを出した


「お風呂どーぞ
康太のパジャマですけど」


あくびしながら受け取り、お風呂へ







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