恋 ~余命1年ってなんですか?
「理江」

「へ?」

「私も理江って呼ぶわ!
ゆーちゃんって、呼ばれてるんだから
いいでしょ!?」

「はい」

「理江!明日は、外出するわよ!」





やって来たのは高級そうな美容室


「抜ける前に切っちゃいなさい!」




あー、テレビで見たことある!

長かった髪をベリーショートにした

スカスカの頭がなんだか寒い


「ウィッグと帽子も買うわよ!」



ゆーちゃんが楽しそうに買い物してくれた


「まーくんの時は、たーくんが買い物してくれたからね!
理江! パジャマも買いましょう!
私が選んであげる!!」


「そんなにいいですよ!」


「娘みたいなもんだから!気にしないの!」




化学療法が始まった


卵巣癌には、抗がん剤がとても効果がある


と、聞いていたが




効き過ぎなんじゃないの? ってくらい


髪なんて、本当に無くなっちゃうし
においに敏感で、すぐ吐いちゃう
体は痛いし、食べ物が食べれない

寝たきりになってしまった



そんな私を励ましてくれるのは


会いたい


という、真生さんからのメッセージ





手術受ける日までは、会いたくないって
私が断ったから

真生さんは、私がこの病院にいることすら知らない


キツすぎて、返事も返せなくなった








真生さんと一緒にいたい!











生きなくちゃ……
















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