恋 ~余命1年ってなんですか?
手術から目覚めると
真生さんが、私のそばにいてくれた


「お疲れさま」

「パパママは?」

「強制観光中!明日くるってさ」

「ゆうちゃんは?」

「俺がいるならって、帰った」

「真生さん…ずっといてくれたの?」

「当たり前」

「嬉しい」

「本当は、両親にも居てもらいたかったクセに!案外意地っぱりだよな?」

「だって、あんなにそわそわされたら
心配になっちゃうよ」

「確かに、俺らの結婚式とかなったら
2人とも凄そうだ」

「ふふっ それは、面白そう
親不孝だなって、思っちゃうの
出来れば、順番は守りたいでしょ
親より長く生きなくちゃって…」

「そうだな」


真生さんが、私の手にキスをする


「王子様みたい」


「だって… キスできねぇんだから
どっかにしとかないと」


感染予防の為、キスはおあずけ

マスク越しに、おでことか手とか

それでも充分に幸せです



「どんな薬よりも、私を元気にしてくれる」


「なら、もっとしないとな」



幸せすぎて、溶けてなくなりそうだよ















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