お前のために俺はいる
入ってみなきゃ分からない、、、由奈の言葉を軽く聞き流したつもりだった。


「冬馬〜、冬馬の入部届け出してきちゃった〜」


「はぁ?!勝手に??」


由奈は大きく頷いた。


「マジで??嘘だろっ??」


「本当だってば」


「そんなのダメだろっ、、、勝手に決めんなよ」


「バレなきゃ平気だもん」


「もしかして、、、サッカー部??」


「うん!!私はマネージャー希望にしたよ。本当はサッカー部員として冬馬と一緒に入部したかったけど、、、」


由奈はそう言ってにっこりと笑って見せた。


「マジかよ、、、」


「入部の取消しとかしないで頑張ってね!」


由奈はうな垂れる俺の背中を勢いよくポンっと叩いた。


この頃の俺はいつもなんだか無気力で、何かに夢中になることもなかった。


「、、、ったく」


でもこんな風に由奈に振り回されてる自分のことは嫌いじゃなかった。
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