お前のために俺はいる

「なんて言うかさ、、、付き合うならちゃんと俺から言いたいだろ、、、」


照れ臭くて、頬が赤くなる俺に、


「ちゃんと？」


由奈はさらに俺の顔に近づいてきた。


「そうだよ。ちゃんと言わないとさ」


俺は由奈の前に自分の左手を差しだして、


「俺と付き合って。由奈」


緊張してる気持ちを抑えて、そう言うと、


「、、、うん。嬉しい、、、。いつ言ってくれるのかずっと待ってた」


由奈は小さく頷いて俺の左手を握った。


「なんかこういうの照れるな、、、」


「冬馬が照れると私まで恥ずかしくなるよ〜」


この日、初めて俺達は手を繋いで歩いた。


由奈の手は小さくて、温かくて、


今でもその感触を忘れることはできない。