お前のために俺はいる
2年生になると、サッカー部には後輩たちも入部してきた。


練習は変わらずキツい日々。


試合の先発に選ばれているレギュラーメンバーは特にハードな練習メニューをこなす。


俺もその1人だ。


「めちゃくちゃ疲れたぁ、、、マジもうムリ、、、サッカー部やめたいわぁ」


「冬馬がそんなこと言うなよ〜。お前がいななかったら勝てねぇよ〜」


サッカー部は先輩も後輩もいい奴ばっかだから頑張れてる感じ。


あとは、そう、、、由奈がいるから。


それは間違いない大事な存在。


サッカーの練習が終わる頃には空はもう暗くなっていた。


「星川先輩、お疲れ様でした!!」


「あ〜、お疲れ〜」


練習を終えても片付けが待っている。


俺は後輩たちの片付けを手伝うのが日課となっていた。


「星川先輩、すいません、、、いつもありがとうございます」


「星川先輩お疲れ様でしたー」


「おぅ!お疲れ様!気をつけて帰れよ〜」


片付けを終えてから、急いで着替えを済ませる。


グランドから出ると、校門のすぐそばにいる由奈を見つけた。


「冬馬、お疲れ様」


由奈が俺を見つけ笑顔を見せる。


俺が終わるのを待ってくれるのは嬉しいけど、、、。


「毎日ムリすんなよ。先に帰っててもいいんだからさ」


「ムリなんかしてないから平気」


由奈はそう言うけど、ふと見上げた暗くなった空は俺を不安にさせる。


どちらかともなく繋いだ手。


俺は由奈の手をギュっと握った。
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