お前のために俺はいる
「病院の先生とは何度も話し合って、、、最初はあまり賛成してくれなかった先生も由奈の思いを聞いているうちに、病院には定期的に通うことで退院を許可してくれたのよ」


退院して、小学校に通いたいという由奈の願い。


「由奈ちゃん、きちんと病院には来て治療を続けること。いいね？約束だよ。


「うん！！」


「退院の許可が出た時の由奈の喜びようったらすごかったのよ」


懐かしそうにそう言うと、由奈のお母さんは1枚の写真を差し出した。


まだ幼い顔つきの由奈が花束を持って笑顔で立っていた。


「この写真は？」


由奈の横には数人の看護婦さん達。


「由奈の退院した日に撮った写真よ」


由奈はどこか照れくさそうな笑顔でこちらを向いている。


「この日は由奈が自分で決めた人生を歩き始めた日」


沢山の反対を押し切って自分の意思で決めた退院。


こんな小さな由奈がこんな大きなことを自分で決めて歩き始めた大切な日の写真だった。
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