お前のために俺はいる
「最後に会ってもらって、、、良かった。ありがとう。冬馬君」


何も返す言葉が出てこなくて、


頭だけ下げ、由奈の病室を出た俺は、


その後のことはよく覚えていない。


どうやって帰ったのか、、、


頭の中が現実に追いついていかない感覚のまま、


気がつくとソファに横になっていた。


全部が夢ならいい。


ただ俺は長い夢を見ているだけなら。


夢はいつかは覚めるから。


このまま目が覚めたら、変わらないいつもの日常があれば。


由奈がそばにいてくれたら、、、


夢なら、、、、、


早く覚めてくれよ、、、、、


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