お前のために俺はいる
由奈、、、、


行かないでよ


俺を置いて遠くへ行かないで。


いくら手を伸ばしても届かない場所に。


由奈、、、由奈、、、。


当たり前のように感じていた由奈の体温。


そばにいることが何よりも幸せだったあの頃。


握りしめた由奈の手から少しずつ薄れていく温もり。


由奈、、、嘘だろ?


からかっているなら、もうやめろよ。


「冗談だよ」って笑ってみせてよ。


無力な俺、、、。


どんなに大人びていても中身はただのガキ。


まだまだガキの俺には何も出来なかった。


目の前の現実に目を向けることすら、やっとのことだった。


中学生の俺はただ由奈を見つめることしかなかった。
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