お前のために俺はいる
、、、、、これは夢?


それとも現実なのか。


今もその境界線が分からないでいた。


変わった。あの日から。


目を閉じたままもう動くことのない由奈。


由奈の冷たくなった手を握りしめて、俺は泣いた。


そばで由奈の両親も泣いていた。


「冬馬君、、、ありがとう」


由奈のお父さんの震えてかすむような小さな声が聞こえても、


俺は言葉も出ず、思いっきり泣き続けた。


「由奈は冬馬君が大好きだったから」


由奈のお母さんのつぶやく声。


涙はとまることなく流れ出た。


何も言えなかった。


言葉が出ないまま、泣きじゃくる俺の背中を由奈のお父さんが優しくさすってくれた。


きっと本当なら心から泣きたいのは、俺じゃない。


由奈の両親のはずなのに、お父さんもお母さんも俺を気づかってくれていた。


そうだ、、、中学生3年生だった、あの夏。


あの日から俺は俺じゃなくなったんだ。
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