薫衣草荘の住人
自分でも後悔してる。
どうしてあんな事したんだろうって。
でも許せなかった。
自分を子供扱いしていた衣草さんを。
許せなかった。
そうじゃない。
子供としか見られない私に嫌気がさした。
多分。
どんなに可愛い洋服を着ても
どんなにバッチリメイクをしても
綺麗に髪をセットしても
無理してお酒を飲んでも
衣草さんは私を年下か、住人としか見てく
れない。
私はこんなにも恋をしているのに。
涙がでる。
一生懸命堪える。
それでも溢れる涙は熱くって
頬が火傷しそうだった。
私は大きなため息を吐いた。