薫衣草荘の住人
私は話を聞き終わる頃には
涙が止まらなくなっていた。
「…あ、ごめんね。重かったよね。」
「い、え…」
私は衣草さんのこと何にも知らなかった。
「僕は、紅を殺してしまった。だから、も
う…人の愛し方がわからないんだ。」
「…まだ、紅さんのことは好きなんですか?」
「…多分。それはないと思う。」
「…」
「正直、紅を本当に愛していたのかもわから
ない…その甘さが紅を死へと追い込んだのか
もしれない。」
「…」
ガラガララっ!
「なっちゃん!!」
「チョコちゃん、葵くん。」
「大丈夫?なっちゃん。」
「すみません。ご心配、おかけしました。」
「あ、るいとろいはあとで来るみたいだか
ら。まだ、仕事が終わらないみたい。」
「すみません…。」
「なっちゃん。気をつけて。」
「すみません、チョコちゃん。」
その後るいさんと、ろいさんがきて、
プリンをくれた。
そして、その3日後。
私は退院した。