薫衣草荘の住人











「っ!」








アタシは跳ね起きる。








あたりを見渡すと、見馴れた自分の部屋。








「夢、か…」








嫌な夢だ。








ママが死んだあの日。








アタシは孤独になった。








独りになった。








…うんん。








もしかしたら、ずっと前からもう独りだっ








たのかもしれない。








あの時のえも言えぬ感情は、今でも時々思








い出す。








そして、この夢を見た時。








アタシは大抵…








ピピピっ…








「38度2分か…」








熱が出るのであった。
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