薫衣草荘の住人











「…ごちそうさま。」








「はーい。」








アタシは、葵が買ってきたプリンを食べた。








「…いくら?」








「え?」








「プリンと、薬と冷えピタ。」








「あー、別にこの位いいよ。」








「嫌。アンタには借りを作りたくない。」








「こんなの、借りの中に入らないよー」








「…」








「…ごめん…」








「っ!」








ごめん。








その言葉がアタシの心にぐさりと刺さる。








「…ごめん、って何…?」








「…千代子?」








「何の謝罪…?」








頭が痛い。








「やっぱり…アンタなんか、大っ嫌い。」








「…ごめん。」








「だから、何なのよっ!!」








アタシは、手に握っていた小銭を葵に投げ








つける。








「千代子…」








「アンタみたいな上辺だけの偽善者、吐き気








がするんだよ!アンタが…アンタの家族が…








アタシの家族をめちゃくちゃしたんだよ!」








涙が溢れる。








「…」








「出てってよ…はやく、いなくなってよ!」








私は、葵を部屋から追い出した。
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