薫衣草荘の住人
ずっと恨んでいた。
でも、本当に恨んでいたのは
葵ではなく、
無力で、
葵に八つ当たりをしてばかりの
アタシ自身だった。
でも、
そんなアタシに、葵は
真っ直ぐに愛をぶつけてくれた。
まだうまくは表現出来ない、愛。
でも、なっちゃん。
アタシ、愛が何だか分かった気がする。
愛は、
丸でもあり、四角でもあり、ハートでもあ
る。
遠回りも近道も、坂道もトンネルもある。
でも、
その先には必ず
愛する人が待ってる。
これは、
寂しがり屋の女の子と
罪悪感に苛まれていた男の子の
恋の話。