薫衣草荘の住人
「へー。夏野さん、T大なんだー。めちゃく
ちゃ頭いいじゃんよー!」
「いえいえ…私は田舎者なので…」
「ご実家はどこなの?」
「京都の山間部の方です。」
「京都、の割にはなまってないね。」
「あ、はい。叔父さんに『東京に行くのに、
京都弁じゃ馴染めないだろ』言われて…教え
て頂きました。」
「そうかー。へー…」
「?どうかしましたか?」
「いや、こんな風に言うのはあれかもしれな
いけど…」
「なんですか?」
「夏野さんの、その…京都弁?聞いてみたか
ったなー…みたいな?」
「え!?私の、ですか!?」
「あ、ゴメンネ!そういうの嫌だよね。今の
なしにしよ!」
「あ、はい…わかりました。」
「はい!じゃあ行こ!」