澄みわたれ!
オーボエと好きと姫君と(情熱のメゾピアノ)
「はぁ、、、」

なんとなくため息が漏れた

なぜなら、今日はいろんなことがあったから、、、

先輩の本心と、あの、、、さくら先輩の表情と

引っかかることがありすぎて、目がくらむ

「ちょっ、、、まりっ」

突然の声に反動で身体がビクッとなった

「、、、?ああ。『そう』か。」

「ああ、じゃないって、、、」


扱い雑だなー

そう言ってそうは私の隣に立った

「なに?なんか用なの?」

まだ今日のことが渦巻いていて、曖昧な言葉を出す

「ん?いやぁ。一緒に帰りたいなーって思っただけ」

「は」

こいつに恥じらいはないのか?!

そういうことをサラッと言いのけてくるからこっちが照れる

「何それー。夜道が怖いのー?」

あははと軽く笑ってのけた

「はぁ?俺は平気だっつーの」

そっちじゃねーし

小さく呟いた声は車の音でよく聞こえなかった

「え?なんか言った?」

「っ!別に。先帰る」

スタスタと先を行くそうを少しじっと見て私は後を追った

なんだ、一緒に帰りたいと行ったのはそうでしょ

「ちょっと、一緒に帰るんじゃあー・・・」

肩を掴んで顔を見ると

そうの顔が赤くなっていた

「え、あっ、ね、熱?」

つられて何故か私の顔も熱くなる

「違う。大丈夫」

思いっきり目をそらすので、少し気になった

「じゃあ、なんで」

「な、なんでって、、、」

口ごもるそうの顔をじっと見つめた

こうして見ると、目は2重で、鼻筋通ってるし、結構顔整ってるんだと思った

むに

気づけば私の手がそうの頬をつまんでいた

「にゃ、にゃんだよ」

「へ、あ、いや」

「、、、ひかえひ」

そうの手が私の頬をつまむ

「っ、いひゃいって」

あれ、どうしよう。

顔が赤いのがバレちゃう

そう思っていたら私の指からも熱が伝わってきてた

「そう。顔熱い」

「う、るさい。まりだって熱いよ」

「えへへ。お揃いだ」

「っ!」

パッとそうが手を離す

つられて私も離した

「帰ろ」

おもむろに歩き出したそう

さっきつまんでいた手がムズムズして、さっきつままれていたそうの手に触れたくなった

もう少しのところで踏みとどまる

「待って」

そう言って私はそうの後を歩き出した
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