澄みわたれ!
「ぬ、おおおおおおおおあ」

?!

あいかが変な声を出して教室に入ってきた

「ど、どしたの」

あんも困惑ぎみな声を出す

「や、やばいぃ」

見れば、あいかの顔はゆでダコのように赤かった

「えー、好きな人となんかあったわけなの」

「〜〜っ」

唇を横に引っ張って無言でただただ頷いた

「きっ、ききき」

「聞こうか?」

「ンンっ」

、、、言葉が言葉になってない

「あ、あのね。えっと、えっと」

「お、落ち着け落ち着け」

「違うよ、まり。もちつけだよ。」

「そうでした。もちつけー」

フルート1年の間じゃ、落ち着けはもちつけなのである。

コクコクと頷いて、あいかは話し始めた

「えっとね。ファゴットの、ゆいと仲いいじゃん?私。

でさ、ゆいに、『今日の体育見てかっこよくて、プリンになった』って話してたんだよねー」

「待て待て、、、、ぷりん?」

「なんか、溶けたんだよ」

『なる。』

いや、あんまりまだ理解出来ていないが、、、

「でね、その事話したら、ゆいが、次その人が通ったら、その事言う!

って言ってね、、、

通っちゃってさー。

そしたら本当に言い出すわけよ。

だから、必死に阻止してたら、、、

ゆいが、いいやん、あいちゃん、あいちゃんー

って、名前連呼しだして、間に挟まれてたその人がね、ゆいと一緒に、

あいちゃんー

って!って!言い出したんだよおおおお

な、名前、よ、呼びぃ。

いつもだったら『関』って呼ぶのに!!!!!!!!!!!!」

「い、いいなぁ」

「うわー、青春。」

あんが眩しげにあいかを見つめる。

あいかのその表情に、この前のような疲れや諦めは一切なく、輝いていた。

(まぁ、あたしも名前呼びだし)

ふとそうの顔が浮かぶ

ん?違う違う。

あたしもってなんだ。

なになになになに、、、

謎じゃん。

正体不明のその感情が、わかる日は来るのだろうか
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