さようならマミー!
1章-1
さようならマミィー!
第1章
冬の季節に入り、クリスマスシーズンに突入した頃に私へ海外出張の業務命
令が下った。約一ヶ月アメリカ出張となる。我が社の装置の据え付けが終わり
試運転の依頼が現地から申しでがあった。長期のプロジェクトに関わっていな
い私に命令が下った。拒否は出来ない、この会社の社員である限り、正月明け
にアメリカのフロリダの小さな町へ出かける。近くには、有名なフロリダのユ
ニバーサルスタジオがあるオーランド、そのオーランドに行くのが目的ではな
い。
オーランドから南に進み、とある小さな町へ、近くには、ケネディ宇宙センタ
ーもある。遊興施設には、あまり関係ない、仕事に行くのが目的である。
何時もと変わらない正月を終え、成田から機上の人となった。サンフランシス
コで国内線に乗り換えフロリダのオーランドへ、そこからレンタカーでキシミ
ーへ、ホテルを確保してから依頼先の会社へ行く事になる。季節感の無い成田
から旅情を誘うサンフランシスコの町並みが眼下に広がる。機内では、誰と話
す事もなく出される機内食と手荷物に入れた文庫本、機内の映画を鑑賞するし
かする事がない。ただ座席に座り込み時間が過ぎて行く、時間の感覚を少しず
つ失う自分に気が付き始める。機内では、夜だったはずが、陽が差し込み眼下
に見えたサンフランシスコは、そこがアメリカの豊かさの象徴の様に輝いてい
た。
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