春だから…恋。

呼ばれるまま、そばに行く。

持ち切れない程の花束を、片手に抱えて、

「……松原、呼び出したりして悪かったな」

と、微笑んだ。

「…いいえ」

その優しげな微笑みに、はにかんで首を振る。

「……本社に行ったら、もうおまえとも会えなくなるな……」

言う課長に、涙が思わずじわりと込み上げる。






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