スイーツ王子と恋するレシピ
渋谷シカオこと、山田鹿夫は語り出した。
中学校の文化祭で開催された「パティシエ選手権」でオレたちは決勝に残った。
そして、最終決戦、副生徒会長の白鳥さんの最後の1票がどちらに入るかで優勝が決まる、というそのとき。
「どちらも同じくらいおいしかったから、選べない…だけど」
白鳥さんはそう言いながら天見のケーキに1票を入れた。オレは負けた。
「天見君の方が顔が好みなので」
顔で!?
あこがれていた白鳥さんに選ばれなかっただけではなく、天見、おまえはそのあと
「顔で勝ったなんて嬉しくねーな!」などとほざきやがった!
そしてあれからオレはおまえと再び戦う日のために、ケーキ作りの腕を磨くことはもちろんのこと、見た目も勝てるように努力した。
「…そうか。そうだったのか」
恵斗さんは半ばあきれたようにそう言った。
中学生の頃の出来事を、いまだに根にもっているなんて、なんて執念深いんだろう、この人。
…でも、人ってそういうものなのかもしれない。特に何かを成し遂げようとする人にとって、中学生の時の悔しい出来事は原動力になるのだろう。
彼の気持ち、わからなくはない。
だけど、だけど…。
「努力は認めるよ。だけど、悪魔のショコラロールケーキを売るのはやめろ!」
「やだね! オレと勝負しろ! ケーキ対決だ!!」
ケーキ対決ー!?
中学校の文化祭で開催された「パティシエ選手権」でオレたちは決勝に残った。
そして、最終決戦、副生徒会長の白鳥さんの最後の1票がどちらに入るかで優勝が決まる、というそのとき。
「どちらも同じくらいおいしかったから、選べない…だけど」
白鳥さんはそう言いながら天見のケーキに1票を入れた。オレは負けた。
「天見君の方が顔が好みなので」
顔で!?
あこがれていた白鳥さんに選ばれなかっただけではなく、天見、おまえはそのあと
「顔で勝ったなんて嬉しくねーな!」などとほざきやがった!
そしてあれからオレはおまえと再び戦う日のために、ケーキ作りの腕を磨くことはもちろんのこと、見た目も勝てるように努力した。
「…そうか。そうだったのか」
恵斗さんは半ばあきれたようにそう言った。
中学生の頃の出来事を、いまだに根にもっているなんて、なんて執念深いんだろう、この人。
…でも、人ってそういうものなのかもしれない。特に何かを成し遂げようとする人にとって、中学生の時の悔しい出来事は原動力になるのだろう。
彼の気持ち、わからなくはない。
だけど、だけど…。
「努力は認めるよ。だけど、悪魔のショコラロールケーキを売るのはやめろ!」
「やだね! オレと勝負しろ! ケーキ対決だ!!」
ケーキ対決ー!?