召喚魔法失敗しました!?
召喚魔法失敗しました!?
特にこれといって変わりのない休日の昼下がり。
誰も使わない古ぼけた屋根裏部屋で、事件は起こった。
先程まで穏やかだったのとは打って変わって、ピリピリと痛む空気に顔を顰(しか)める。
でもそんなことはもうどうでもよくて、起きたことを整理しようとしても、頭の中は真っ白になっていく一方で。
呆然とするというかなんと言うか。
誰が見てもアホ面としか言えない顔で、口をポカンと開けたまま口が閉じない。
煙たかった部屋が小さく開いた窓から、新鮮な空気をゆっくりと取り込んでいく。
そのお陰で灰混じりの真っ黒になった床が姿を表す。
失敗……確かに失敗した。
部屋の中で大きな落雷が落ちて、部屋が大きく揺れて。
バチバチとうるさい火花があちこちで散って、もう死んだなと思った程ヤバかった。
< 1 / 277 >