召喚魔法失敗しました!?
さらりとした風、地味に響いてこだまする私の声。
見慣れた景色に、知っている街。
空赤く染まり夕日が沈んでいく。
……ここって魔界?
「あれ?」
拍子抜けた声で呟くと抱き抱えられている体がぴくぴくと揺れる。
その揺れの犯人をじとーっと見つめていると、堪えきれなくなった笑いが弾けた。
『はっはははは!!』
私に負けないくらいな大きな笑い声が響いた。
……帰ってこれたんだ。
そっと地面に下ろされたかと思うと、お腹を抱えてまだ笑ってるウィリーを見る。
なんでこんなに笑ってんのこの人。
むすっとしながらも辺りをキョロキョロと見渡す。
どうやら学校近くの丘付近らしい。
大丈夫、ちゃんと帰ってこれた。
そして私、ちゃんと生きてる。
疲れがどっと押し寄せてため息をつく。
ようやく収まった笑いに目を潤ませたウィリーが私の頭をぽんぽんと叩く。