召喚魔法失敗しました!?
いつも通りの朝が来た次の日。
嫌な予感というものは見事に的中した。
教室へと続く廊下を歩いていると、何かかしらの視線を感じる。
それを全て無視して廊下を歩き……教室の前で足を止めた。
教室の前に佇む私は、ドアを開けるかどうかをこの上なく躊躇(ためら)っていた。
「リーシェが召喚魔法を成功したぁ?」
「何かの間違いよ」
「あの子に出来るわけないって!」
聞こえてくるその声にやれやれと首を振る。
どうしてこう簡単に噂は広まってしまうものなのか。
あー……本当に面倒事はぽんぽんと湧き出てくるわねぇ。
いつもなんで私ばっかり。
ギリッと歯を食いしばりながら心を落ち着かせる。
こんなのいつものことだ、気にしない。
『おい……』
使い魔の形という約束を守っているカラスになったウィリーが私の肩に留まる。
「大丈夫よ。行きましょ」
ウィリーにもかっこ悪い所見せて馬鹿にされたくない。