召喚魔法失敗しました!?
ぎゅっと胸を握りしめて今まで時間を共有したリックが嘘であったことを理解させる。
あれは全て偽物。
理解させる時間もそうかからなかった。
それどころかウィリーは嘘をついてなかったことが嬉しかった。
ウィリーの横に移動しリックを睨む。
「騙してたのね!一体何のために!!」
私の姿を見るや否やリックは笑い始める。
何なのこいつ!!
馬鹿にされてる気がしてならないんだけど!!
今までの分の怒りを全部込めてリックを睨んだ。
その私を見て笑うのを止める。
やれやれと首を竦めると、リックの姿が一瞬にして姿を変えた。
「へ?」
真紅の髪に黄金の瞳。
どこか雰囲気は何か違うとは思ってたけど……リックもまさか悪魔なの!?
背中から生える大きな羽が妙に禍々しい。
ウィリーとは何か違う。
――多分こいつヤバイ。