召喚魔法失敗しました!?
そう思った矢先、リックが突如動き出す。
それに反応したウィリーが強引に私を引き寄せて空高く飛び上がった。
土埃が舞う中ゆらり揺れる人影と、そこにできた巨大な穴。
嘘……!?
一瞬にしてあの大きな穴空けたの!?
ウィリーが空飛べなかったらきっと木っ端微塵状態じゃない!!
『ようやく本性を表したか』
ウィリーの聞いたこともない冷たい声。
いつものあの落ち着いた様子はない。
その声に事の深刻さが分かる。
ここで私が下手に動けばただの足でまといになる。
この魔力で襲われたらきっと命はない。
でも、私を守るとか言ってるウィリーだけどこの状態じゃ逃げるしかできない。
頭を働かせるのよ。
「おいおいどうしたんだよ、魔界騎士団長さんよぉ??お前の力まだ見てねぇぞ?」
魔界……騎士?
聞いたこともない言葉にウィリー見上げようとしたけど、それは止めた。
これが終わったら全部徹底的に教えてもらうんだから。