召喚魔法失敗しました!?


そう言われたウィリーだけど、さっきから何も反応することはない。


そんな中でウィリーはひっそりと魔力を貯めているのが分かる。


一体これからどうなるのか検討もつかない。


だけど私は……


――ウィリーを信じる。



『リーシェ』



名前を呼んだ声に心臓がドキリと跳ねる。


今はこんな事でドキドキしてる余裕ないのに。



「なに」



平然を取り繕ってそう答えると、張り詰めた空気の中ウィリーが小さく笑う。


なんでこの状況で笑ってるのよ。


意味わかんない!


でもなんとなく分かる。


ウィリーはこの状況を完璧に楽しんでる。



『お前の力頂くぞ』



そう言われ首を傾げるよりも先に私の周りにキラキラと輝く光が集まり、私の周りをぐるぐると回る。


その光はウィリーの額に吸い込まれていく。


この状態が理解できないでいると、リックが目の前に現れた。



「お前っ!どうやってソレを!!」


『お前に教える必要がどこにある』



リックの手が私を捕らえる寸前。


リックの手が何かに阻まれ弾かれた。








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