召喚魔法失敗しました!?
……そのはずなのに。
ありえない状況が私の目の前で起こっていた。
『三千年の封印がようやく解けた……か』
私以外この部屋にいるはずもないのに、凛とした声がやけに大きく響く。
宙に浮かぶソレは優雅に真っ黒になった床に着地した。
『我が主となる下僕はお前か』
は、いや、待て待て!主で下僕ってどっちよ、それ。
って第一、コレは一体なんなの??
だって私が繰り出した魔法は間違いなく失敗したのに、なんで変なのがいるの??
そんなこと考えたって答えは出てくるわけはなく。
頭は真っ白になっていく一方だった。
『契を交わそうぞ、娘』
そんな私を無視し、そう言って一瞬にして近づいて来た。