召喚魔法失敗しました!?
何がなんだかわけがわからない。
ぐいっと顎を上げられ、ソレの顔が目の前にあった。
唇に感じた柔らかい感触と、小さな温もり。
『流石……下僕だな。もう少しロマンティックさを演出したらどうだ?三千年ぶりだと言うのに。もう少し俺を楽しませろ』
はあ……とわざとらしくため息をついて、やれやれといった表情で私を見つめるコレ。
その顔はなんとも言えない美貌を秘めている。
長い睫毛に、整った顔立ち。
艶のある少し長めの黒髪。
服を着ていてもわかる、引き締まった体。
誰もが文句なしのイケメンと口を揃えて言うんだろう。