召喚魔法失敗しました!?
倒れたその体制からムクっと起き上がり、ぶつけた場所を摩る。
わざとらしいため息をついて私に視線を向けてくるのがわかる。
『酷いな……人が気持ちよく寝てる所を突き落とすなんて』
「あんたは人じゃないでしょ」
『俺が何をしたっていうんだ』
「自覚ないわけ!?最悪!!!!」
振り返ってウィリーを睨んで、近くにかけてあったウィリーのマントを投げつけようと構えると、落ち着けと慌てて私を宥(なだ)める。
『全く……お前1時間も寝てないだろう。もう少し体を休めろ』
ゆっくりと立ち上がったウィリーは私が開けた窓をそっと閉める。
「ちょ、ちょっと!」
『寝ろ』
「私に命令するの?」
『ああ、する。お前は俺の下僕でもある』
「あのねえ……」
何がしたいのかさっぱり分からない。
私がどうこうした所でウィリーには何も影響なんてないのに。