召喚魔法失敗しました!?
はあとため息をついた所で、何も変わらないのは分かってる。
分かってるけど……
どうしてもぐるぐると回る考えが消えてはくれなくて。
切り替えたいのに上手く切り替えることができない。
ゆっくりと目を開けて空を見上げた次の瞬間。
「隣いいかな?」
知らない声に体がピクリと反応する。
声をかけられたということに気づくまで数秒かかった。
「ど、どうぞ……」
小さく頷き、声の主の顔をそっと見る。
そこにいたのは、私と歳が近そうな男の子だった。
珍しい銀色の髪に、透き通るような蒼い瞳。
ここの国の人じゃないってことは見れば分かる。
雰囲気もどこか優雅というかなんと言うか。
私の隣に座るとその差は一目瞭然。
キラキラと眩しい男の子に、くすんでいる私。
なんかここにいるのでさえも、ムズムズしてしまう。