召喚魔法失敗しました!?
何よ嬉しそうな顔しちゃって。
こっちは本気で悩んでるのに。
でもしばらくの間は、こいつと嫌でも生活することになってしまうんだろう。
先が思いやられる……
「そういや……あんたの名前は?」
流石にあんたじゃ可哀想だ。
こちらとしても名前があった方が呼びやすいし、何かと気持ちも軽くなる。
『命令か?』
「命令も何もただ名前を聞いてるだけよ?」
『悪魔は人に名前を言わない』
「……そう。無理に聞いて悪かったわね」
『だから、付けてくれないか。俺の名前を』
そういう悪魔は少し寂しそうな表情で、下を俯いた。