【短編】それでもあなたが好きです。
「これ、やる」
「……え? いいの……?」
「いいよ。頑張れってことで」
コンビニで買ったらしきパンを、無造作に渡してくる。
わたしが朝食を食べていないから、ということで、先ほど買ったそれを渡してくれた琥珀くんの優しさに感動した。
「あ、ありがとう……」
「ん。電車来たよ、行ってらっしゃい」
「琥珀くんは?」
「ダチに返すもんあったから、戻るわ」
同じ電車に乗らないことが少し寂しくて、それでも乗らないと遅れてしまうので、わたしは名残惜しく手を振りながら、電車に乗った。
友だちと話しているのと同じ感覚。
同じ内容。