【短編】それでもあなたが好きです。
勘違い?
そんなわけないじゃない。
だって、腕組んで仲良さそうに歩いてたくせに、今さら勘違いとか抜かさないでよ。笑えないよ。
遊び相手なら、わたしはもう懲り懲り。
「あれね、脚を怪我したみたいだったから、改札口に迎えに来てるっていう彼氏のとこまで、支えてあげたんだ」
「は、はあ?」
「俺の本命とか、ジョークにもならねえよ?」
さらに一歩近づいてきた彼は、わたしの頬に手を添えた。
「俺が好きなのは、一椛だけだよ」
「……なんで、わたしの告白をオッケーしてくれたの」
「ずっと、好きだったから」