【短編】それでもあなたが好きです。
……?
でも、わたしたちは、初対面。それは、琥珀くんに確認してみても、そうだと言われた。
「これは恥ずかしいから、秘密だけど。でも、同じ電車に乗ってて……誰かも知らねえのに、気づけば好きになってた」
「えっ……」
「告白されて、普通に嬉しかった。一椛が好き」
好き、好き、好き、好き、大好き。
何度も何度もその言葉が繰り返されて、わたしはぶんぶんと首を横に振った。
「なに」
「も、もういい……」
「じゃあ、別れたいって取り消せよ」