【短編】それでもあなたが好きです。
「ねえ、確認なんだけどさ」
「……うん」
「俺、金髪だし、年上だし、彼女なんていたことねーから、馴れなくて、ガッカリさせることもあるし、
彼氏らしいこともあんまり、してやれねぇと思う」
ねえ、そんなの今さらだよ。
「それに、今日みたいに勘違いさせて、悲しませるかもしれねえ。それでも、一椛が好きだ」
「……うん…っ」
なぜかわからないけど、涙が出てきちゃって。琥珀くんが、それを右手の親指で拭ってくれた。
「それでもいい?」
「それでもあなたが、好きです……っ」
「そう……。そんな一椛が、俺は大好きだよ」