【短編】それでもあなたが好きです。
はっ、お母さんたち起きたら大変!
寝てからのスマホは禁止なんだった、と思い出したわたしは、布団に覆いかぶさった。
【お仕事お疲れさまです。
疲れてると思ったから、連絡しませんでした。
訊きたいこと、たくさんあります】
随分と堅い文章に、絵文字やらなにやらをあと付けして、それを送ると秒速で既読がついて、返事が来る。
打つのが速いみたい。
【彼女なんだから、そんな気遣い要らねえだろ。
訊きたいことは、なに】
絵文字もハテナマークもない、冷めた文章が、わたしをさらに緊張させた。
見た目的に、彼がそういうものを使わないってわかってたけど、怒ってるのかなって思ってしまう。
【年齢と、職業が訊きたいです!】
【18歳で、居酒屋で働いてる。
帰りはいつも遅い】
【年上ですね、仕事をしてるなんて、カッコいい!】
【そういう対応なんだ】