【短編】それでもあなたが好きです。


いろんなことが、今さらこわくなって、それでも琥珀くんの優しさが好き。


それは、中学生のときに感じた“彼”の優しさに似ているからなのかな……。


ううん、でもわたしはちゃんと、あのときの“彼”じゃなくて、琥珀くんを見ているし、本当に好きなんだよ。



だから、別れたくない。


でも、琥珀くんが別れたいと言ったら、速攻別れよう。琥珀くんの自由だ。






「昨日の夜、騒がしかったけど、なんかあった?」



制服に着替えて、お母さんにおはようと言うなりそんなことを訊かれて、わたしは動揺を隠すのに必死だった。


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