全ては君が知っている

***



「──じゃあねー!また明日ー!!」

講義が終わると、荷物を即座に鞄にしまい、それぞれが帰路につく。

教授が、一人で黒板を消している様子をボーッと眺めながら、私も荷物をしまう。


ブー………ブー………と鳴り響くバイブ音。



「あ、マナーモードにするの忘れてた…。」


思わず、声に出てしまっていた。
その声に気づいたのか、後ろから声をかけられた。


「まじ!?講義中に鳴らなくて良かったね?」


「本当だよ(笑)」


荷物を背負った男子が、私に話しかけてくる。
その男子は、私の好きな人でもある。
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